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LYCRA®NEWS

2010/03/15

ライクラ®ファイバーを使ったジュエリーを制作する、井澤葉子さんに注目

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井澤葉子氏

ロンドンを拠点に活動するコンテンポラリー・アート・ジュエリー作家の井澤葉子さん。コンテンポラリー・アート・ジュエリーは、金属や宝石のみならず、プラスティックや繊維など、さまざまな素材を使ったアーティスティックなジュエリーのこと。日本ではあまりピンとこないかもしれないが、欧米では盛んな分野で、専門のギャラリーがいくつもあるほど。毎年、ドイツのミュンヘンやオランダのアムステルダムにて大規模なフェアが開催されている。

井澤さんが生み出すのは、ライクラ®ファイバーを使った繊細な趣きのあるジュエリーだ。ハンドメイドに近い製法で、糸の染色から手掛け、ひとつひとつ丁寧に仕上げられる。繊維をジュエリーに使うという発想は、どこからきたのだろうか?

ロンドン在住の井澤さんに、アートの表現手段として用いられる伸縮性のある素材の魅力などについて伺った。

伸縮性のある素材との出会い

「ロイヤル・カレッジ・オブ・アートに在学中、“琥珀を使った作品”のテーマに取り組んだ時、試行錯誤の末、なにげなく琥珀をストッキングで包んでみたら、そこに生まれるなんともいえない曖昧さに感動し、自分が元々持っている価値観や美意識をあらためて認識させられました。ストッキングは伸びると透けて中が見える、包みつつも中が見えて、それを体に巻き付けることで身に装着することができる。コレだ!と気付くものがありました。私自身カチッとした物があまり好きではないのですが、ストッキングで包むと、土台の固いディティールが隠れる一方、中の素材は美しく見えるような、いわばヴェールを被せる効果があるんだと。それがライクラ®ファイバーが入った素材を使い始めるきっかけでした。」とその出会いを語る井澤さん。

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Necklace[Layers of leaves〕

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Veiled ring

ジュエリー作家の観点から見た繊維の魅力、面白みはどういうところだったのでしょうか。

「最初は既製のストッキングを使っていましたが、既製のものを使うのでは創作上限界もあり、自分で繊細な素材を編んでみたいと思い、ライクラ®ファイバーとナイロンの糸を使って制作を始めました。私の作品は、まず筒状のニットを製作し、染色した後、その中に成形したプラスティックやアクリルまたはパールなどが入ることで生まれる立体造形です。ノリやネジで無理矢理留めなくても、糸のテンションに委ねることで柔らかく自然に形どることができるのは、ライクラ®ファイバーならではだと思います。それに肌と同じで、ピンと張った状態のものには生命力がみなぎっていますよね。
ライクラ®ファイバーの張力で包まれることで、作品に生命力が宿るような気がします。」

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Inro ring

繊細な素材を通してパール、アクリルやプラスティックといった素材が幻想的に見える井澤さんの作品。“ものごとを個別にハッキリさせるよりも、すべての要素が自然にひとつにまとまる感じがしっくりくる”という井澤さんの感性が伝わってくるようだ。

「自分がコントロールしているというより、素材自体が勝手に形どってくれるようなところがある。自分が物と一体になり、素材と戯れながら結果的に何かが生まれ作品に辿り着く。これは日本人ならではの感性ではないでしょうか。」

渡英後はじめて、自分の中にある日本的、東洋的な価値観に気付いたという井澤さん。その作品の中にどこにもないオリジナリティを感じる人は多いだろう。