東レ・オペロンテックス株式会社

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ニッポン、繊維の底ヂカラ!

2009/08/27

Vol.02 株式会社藤高(愛媛県今治市)

タオル作りに心血注ぐ企業文化

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昨年に導入した自動整経機

瀬戸内海に面したタオルの一大産地、今治で1919年(大正8年)に創業したタオルメーカーの藤高(今治市別宮町)。創業当初から「技術の藤高」と高く評価され、52年には横織タオル(※)で特許を取得、63年には今治で初めてタオルケットの生産を開始。

その後も有名ブランドタオルの生産や各種特許の取得など、日本のタオル業界をリード、日本製タオルの高い技術とモノ作りの「妙」を世界に知らしめた。

藤高は糸の染色から最終製品まで一貫して自社グループで行う生産体制を生かし、競争力を高めてきた。近年では短納期小ロットにも即応できる設備を導入、市場の多様なニーズに対応している。

藤高豊文社長は商品の「安心・安全」を強調し、理念である「タオルを通じて心豊かな生活文化を創造する」ことにエネルギーを注ぐ。社員もこれに応え、技術スキルを高め、B品減少運動にも一丸となって取り組んだ。同社が掲げる最良の製品・最高の品質への取り組みは、そうした経営トップの理念と、社員全員の積極的な行動から生まれる。

パイル製造技術の結晶「五彩織り」

高度な技術開発力を誇る同社の中でも、2005年に独自開発した「五彩織り」(08年に特許取得)は、画期的なジャガード織物だ。

五彩織りは、従来、インクジェットによるプリント以外では出来なかったフルカラーの写真や絵画などの図柄をコンピュータ処理し、ジャカードのパイル織物で描いていくというものだ。

近くで見ると5色のパイルの集合体だが、全体で見るとそれぞれの色がミックスされ、多彩な色調表現が可能。五彩織りの最大の魅力は、先染め織物特有の「高級感」、「深み」、そして「暖かさ」。まさに「技術の藤高」を象徴する高度な技術だ。

五彩織りによる商品は、国立西洋美術館(東京)のミュージアムショップでも販売されている。

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株式会社藤高 本社

「過去に出展したジャパン・クリエーションで優秀賞を獲得、それがデザイナーの三宅一生氏の目にも止まり、同氏のパリコレ作品にも採用された実績がある。
 藤高が特化する先染めジャカード技術とデジタル加工技術のコラボレーションで、モノ作りの幅はさらに広がる。

ライクラ®ファイバーでタオルも変身!

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百貨店でのプロモーション用として新たに制作したカラフルなストレッチタオル

そんな同社のライクラ®ファイバーとの出会いは、昨年に開催されたタオルメッセ。オペロンテックスが今治産地向けのプロモーションとして伸縮自在のタオルを出展するにあたり、制作協力したことがきっかけだ。
伸縮するタオルと聞いてもピンとこないかもしれないが、百聞は一見に如かず、使ってみると何ともいえない不思議な感覚が体験できる。頭にぐるりと巻けば、ぴったりフィットしてずれてこない。これでバスローブを作れば、体にしなやかにフィットするものができそうだ。

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写真右:金川多喜男 営業企画部次長

「(伸縮性に富む素材特性から)パイル地とヘムとの縮率の調整に苦労しました。何度もサンプルを作り直し、試行錯誤の末、完成しました。期待通り、スポーツ用にぴったりの自信作です。」と、生産に携わった金川多喜男営業企画部次長は振り返る。

10年で躍進した今治ブランド

国内製造業共通の課題が、輸入品への対応だ。タオルについても安価な輸入品の影響で国内生産量は大幅に大幅に減少、せっかく築いた産地ビジネスが揺らぐなか、「もう一度足元を見つめ直そう」と立ち上がった今治タオルが目標に掲げたのは「アジアで真似のできない国産品」だった。五彩織りなどはその一例である。

従来、問屋が有するライセンスブランド品を、タオルメーカーが受託生産するという、いわゆるOEM(相手先ブランドによる製造)によって少なからず成長してきたのが今治のタオルメーカーである。

藤高社長は「今治では知名度のある我が社も、東京では無名。この溝を埋めるためには遠くからでも見えるような大きなアドバルーンが必要。消費者の目がアドバルーンに集まることでまず今治のタオルを知ってもらい、各社独自の技術をもってモノ作りが成されている事実を伝える。各メーカーは技術を大いに競い、独自色を出し、商品を積極的に売り込んでいる」段階が現在の姿。例えて「第一段ロケットで成層圏まで到達した」と評価する。

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輸入品比率8割の中キラリと光る今治タオル

藤高社長は、今年5月まで1期半務めた四国タオル工業組合理事長としても手腕をふるった。日本を代表するクリエイター、佐藤可士和氏を起用し、今治タオルプロジェクトを立ち上げるなど、今治タオルのプロモーション活動を積極的に推進、今治産地の地位確立に大きく貢献した。

また、販売に際して商品の安心・安全が消費者により伝えやすいようにとワインのソムリエならぬ「タオルソムリエ」資格試験制度をスタートさせた。
「今治タオルの高品質さは知られているが、一般消費者にまで浸透しているわけではない」のが悔しかったと回想する藤高社長、3年を要したプロモーション活動の結果、今治でタオルが作られていることを知っている人は、5年前の調査で36%だったのが昨年末の調査では50%に高まり、2人に1人が今治タオルを知ることとなる。

藤高は今後も安心・安全の看板を掲げ、今治でのモノ作りにこだわり続ける。日々の安全管理の徹底はもちろん、旺盛なチャレンジ精神の下、日進月歩、技術開発やイノベーションの開発に挑み、「顧客満足向上の精神に徹する」企業体としてまい進する。

※横織りタオル
織機上でタオルの長辺を横にして製織したタオル。
通常の縦織りタオル比べて、高密度に仕上げることができるため、 豊かな色彩が得られるのが特長 。