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ニッポン、繊維の底ヂカラ!

2013/08/28

Vol.04 川プロ株式会社(石川県かほく市)

カバードヤーンの可能性を広げる

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カバードヤーンのブランド「マイテル」

JR金沢駅から七尾線・普通電車に乗って約20分。宇野気駅の西口から徒歩5分ほどのところに川プロ株式会社がある。小ロット・多品種対応を基本としながら、新しい糸の開発に挑戦し続けるカバードヤーンメーカーで、近年は産地の垣根を越えた取り組みも進んでいる。
 石川県中部に位置するかほく市には、ゴム紐、細幅織物・編物などストレッチ素材に関する企業が集積している。この地で川プロ株式会社(以下、川プロ)は1957年に創業。周辺企業とともに歴史を歩んできた。カバードヤーンはスパンデックスを芯にして他の長繊維を捲きつけた糸で、ストレッチ素材には欠かせない存在。川プロはカバードヤーンの総合ブランドとして「マイテル」を展開している。
 現在、経営の舵を握るのは川端太郎社長(以下、太郎社長)と川端治郎専務の兄弟2人。創業者である父親及び母親の兄から受け継いだ開発精神と若手経営者ならではの感性で新しい取り組みにチャレンジし続けている。
 太郎社長が入社したのは1991年のこと。当時は顧客でもある福井産地・かほく産地が成長を続けていた時期で、同社も設備を増設しながら業容を拡大していた。その当時に比べると現在の生産数量は若干減少しているが、生産品種は高度化し、平均単価も上がった。かつてはウエストゴムやインサイドベルト関連など太い糸が多かったが、現在はインナー関連などより細く難しい商品が増えている。

多品種・小ロットが基本

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川プロ株式会社外観

同社の特徴の一つが小ロット・多品種・即納体制である。本社近くにある2つの工場にカバーリング機11台を持つが、一日に生産する品種は平均して15~16種類になる。最小ロットを定めず顧客が要望する量に対応するため、毎日何台かは切り替えを行う形だ。太郎社長は「長年の歴史なので当たり前のようになっている」とにこやかに話すが、それは充実した準備設備や熟練した従業員など効率的に多品種・小ロット生産をこなす体制を構築していることの表れ。また、数多くある生産品種の管理も万全で、まだ繊維産地でコンピュータを導入する企業が少なかった時代からデータ管理を実施してきた。長年蓄積してきたデータベースは同社の宝。いつでも簡単に過去のデータを引き出すことで顧客の利便性を高めているだけでなく、「データを残しておくことで新しい提案も可能となる」と開発にも役立っている。

新技術にチャレンジ

多品種・小ロット生産を基本とするには、手間を厭わない経営方針、効率的な生産体制に加え、幅広い糸種を生産できる技術が必要だ。その技術の幅を広げるには新しいことに取り組み続けることが背景となるが、新しい案件は「ここに行けば何とかなる」という顧客からの信頼があるからこそ舞い込んでくる。

川プロは創業時から開発を重視してきた企業だ。太郎社長自身も入社時から、創業者である父親に「できない、とは言うな」と叩き込まれてきた。顧客から「こういう糸ができないか」という相談があれば、どんなに難しいと感じても創意工夫で実現していく。この積み重ねが技術の幅を広げ、顧客との信頼関係を深めていく。「顧客に育てていただいた」と太郎社長。今後も新しいモノ作りを志向する顧客とともに技術を磨いていく考えだ。