ライクラ®ファイバーご利用ガイド

ライクラ®ファイバー ご利用ガイド ライクラ®(LYCRA®)およびライクラT400®はThe LYCRA Companyの商標です。

お客様各位 この度はライクラ®ファイバーをご利用いただき、誠にありがとうございます。 ポリウレタン弾性繊維ライクラ®ファイバーは、優れた伸縮性を有し、 綿、ウール、ナイロン、ポリエステルなど、天然繊維から合成繊維に至るまで、 様々な繊維との組み合わせを通じて、衣料製品に快適な着心地、フィット感、自由な動きを提供します。 本ガイドは、ライクラ®ファイバーのご使用時にご留意いただきたい点につきまして、 基本的な情報を記載しております。 実際のご利用にあたっては、弊社営業または技術スタッフによるガイダンスを 事前にお受けくださいますよう、お願い申し上げます。 なお、ポリエステル系複合繊維 ライクラ T400®ファイバーにつきましては、 「ライクラ T400®ファイバーご利用ガイド」をご参照ください。 1 ライクラ®ファイバーご利用ガイド ライクラ®(LYCRA®)およびライクラT400®はThe LYCRA Companyの商標です。

ライクラ®ファイバーの分子構造と物理特性 ライクラ®ファイバーの分子構造 ポリウレタン弾性繊維ライクラ®ファイバーは、柔軟なエーテル結合を持つ「ソフトセグメント」とベンゼン 環をもつ「ハードセグメント」から成ります。化学的な結合を有する伸縮構造のため、繰り返しの伸縮運動 にも強く、経年による劣化(老化)も少ないという特徴があります。 ライクラ®ファイバー 分子構造からみた伸縮イメージ ライクラ®ファイバーの物理特性 ■破断強伸度曲線 ライクラ®ファイバーは優れた伸長性を有しており、 原糸の段階ではおよそ5~6倍まで伸長します。 ■伸長回復曲線(ヒステリシス曲線) ライクラ®ファイバーの「伸び」、「縮み」とそれに伴う 応力(パワー)の関係を簡潔に表すと、 左のような 伸長回復曲線を描くことができます。 ライクラ®ファイバーご利用ガイド 2 ライクラ®ファイバーの自然な状態。 鎖状になったソフトセグメントが不規則にからんでいます。 張力をかけるとソフトセグメントの鎖は伸び・・・ ・・・引っ張る力がなくなると、元の状態に戻ろうとします。 ライクラ®ファイバーの伸長特性 ライクラ®ファイバーの伸長回復特性 応 力 (cN) 応 力 (cN) 伸長率(%) 伸長率(%) どせぐめ んとー ハードセグメント (硬い部分) ソフトセグメント (柔らかい部分)

ライクラ®ファイバー使用法・加工糸一覧 ライクラ®ファイバーの編成および製織方法について ライクラ®ファイバーは、原糸のままで綿糸やナイロン糸などと共に編成する使用法と、原糸を他の繊維で 被覆したのち、編成、製織に使用する方法があります。一般に前者を「ベア※」使い、後者を「加工糸」使いと 呼んでいます。 ※「ベア」とはベアヤーン(Bare Yarn、裸糸)のことを意味します。 ライクラ®ファイバー使用法 ベア天竺などの丸編生地や、ラッセル、レース、トリ コットといった経編生地の編成には、原糸をそのまま (ベアの状態で)使用します。この場合、高い伸縮性を もつ原糸の張力管理を必要とするため、丸編の場合 は送り出し装置を編機のそれぞれの給糸口に使用し、 経編の場合は、専用の整経機(スパンデックス整経 機)を使用します。 ①ベア ②加工糸 原糸をそのまま使う場合 加工糸として使う場合 加工糸は、原糸を他の繊維で被覆することにより、 伸長率を2~3倍に抑えたものであり、特別な装置を 使用することなく製編織にそのまま使用します。 用途に応じて、下のような加工糸があります。 加工糸の例 コアスパンヤーン|Core Spun Yarn 紡績工程において、ポリウレタン弾性繊維を芯に、綿やレーヨン、ポリエステル 短繊維などで被覆した紡績糸。 シングルカバードヤーン|Single Covered Yarn ポリウレタン弾性繊維の廻りに、ナイロン糸など他の繊維を一重に巻き付けた 加工糸。 ダブルカバードヤーン| Double Covered Yarn ポリウレタン弾性繊維の廻りに、ナイロン糸など他の繊維を下撚、上撚の二重に 巻き付けた加工糸。 ツイステッドヤーン|Twisted Yarn ポリウレタン弾性繊維と他の繊維を撚り合わせた合撚加工糸。 エアーカバードヤーン|Air Covered Yarn ポリウレタン弾性繊維とナイロンやポリエステルなどの長繊維を同時にインター レース加工した、交絡部と開繊部を交互に有する加工糸。 3 ライクラ®ファイバーご利用ガイド

ご注意:ライクラ®ファイバーと共に使用される繊維素材によっては、家庭洗濯のできないもの、取扱いに制約のあるものなど、よりデリ ケートなものが含まれる場合がありますので、優先されるべき適切な絵表示をご使用ください。 衣料製品取扱いについて ライクラ®ファイバーを使用した衣料製品の取扱いについて ■ライクラ®ファイバー使用製品の推奨絵表示 ■家庭洗濯における取扱い方法 基本的には製品に縫い付けられている取扱いラベルの絵表示に従ってください。 ●手洗いの場合、強いもみ洗いはお避けください。伸縮性が部分的に変わることがあります。 ●洗濯機を使用する場合、ネットを使用してください。ネットを使用しない場合、製品の「ねじれ」に よる変形を受けることがあります。 ●水温は40℃以下にしてください。水温が高いと染料の色落ちが起こることがあります。 ●漂白剤は酸素系のものを使用してください。塩素系の漂白剤は、劣化の原因となりますので絶対に 避けてください。 ●すすぎを十分に行い、洗剤が残らないようにしてください。残留成分が、劣化の原因となる場合が あります。 ■乾燥 直射日光のあたらない場所での陰干しを推奨しています。 ■アイロン仕上げ アイロンがけは、あて布をして中温で行ってください。アイロンが生地中のライクラ®ファイバーに直接 接触すると、部分的に収縮やひずみが発生して、傷むことがあります。 ■ドライクリーニング ドライクリーニングの溶剤は石油系溶剤を推奨します。パークロロエチレンのような溶剤を使用する と、ライクラ®ファイバーが膨潤、収縮しやすく、脱溶剤も容易ではないため、パワー低下が起こり、 型くずれの原因になることがあります。 ライクラ®ファイバーご利用ガイド 4

ご注意 ※本資料は、ここに記載の情報、データの適用によって得られる結果、並びに本製品の安全性、適合性について保証するものではありません。 お客様は、その使用目的に応じて、本製品の安全性、適合性につき確認してください。 ※本資料は、弊社の事前の書面による承諾なしに、本書のいかなる部分も、またいかなる手段によっても、複写、複製、転写または譲渡を 禁じます。 2021年12月1日 原糸取扱い・品質管理・製品安全 ライクラ®ファイバー原糸の取扱いについて ライクラ®ファイバー原糸(以下、原糸)の取扱いには、下記の点についてご注意ください。 異なる荷口の混用は避けてください。 原糸は、当社規定の出荷基準に基づいて出荷しています。異なる荷口間の原糸の混用は、経筋、横段等の原因に なることがあります。必ず入荷された荷口(納品番号)ごとに区分してご使用ください。 原糸は、使用環境(温湿度)によって伸長回復特性に影響を受けます。季節、昼夜、編機上の温湿度差を最小限に 調整してください。また、倉庫から原糸を移動して、すぐに使用するのではなく、少なくとも1日程度は加工、 編成現場付近で保管してください。 使用環境(温湿度)を一定にしてください。 保管環境(温湿度)を一定にしてください。 原糸は、保管環境(温湿度)によって伸長回復特性に影響を受けます。同一荷口の原糸は、同一環境下で保管くだ さい。また、冷暖房器具や照明設備の近傍は、環境差が起こりやすいので、避けて保管してください。 巻量は同一のものをご使用ください。 巻量の異なる原糸の混用は、経筋、横段の原因となります。巻量が同じものをご使用ください。 保管時には密封し、直射日光を避けてください。 直射日光、NOxガスは原糸の変色、脆化の原因になることがありますので、保管時は密封し、直射日光やガスに 直接さらされないようにしてください。 ライクラ®ファイバーの品質管理、製品安全について 品質管理 ~「ISO9001」を取得 弊社工場は、1993年9月に衣料用化学繊維の製造工場として、品質保証の国際規格である「ISO9002」の認証を、 日本で初めて取得しました。1996年には「ISO9001」も取得し、高品質の維持に努めています。 製品安全 ~製品使用時のご注意 ライクラ®ファイバーには、1%未満の残存ジメチルアセトアミド(DMAc)が含まれていますので、適切な換気装置を 使用してお取扱いください。なお、詳細については、弊社発行の安全データシート(SDS)をお読みください。 5 ライクラ®ファイバーご利用ガイド

商標使用許諾契約について 日本国内でライクラ®商標物(ロゴ)や上記のラベル(ハングタグ・シール)をご使用される場合、 当社との商標使用許諾契約の締結が必要となります。 ホームページやカタログ、製品パッケージ等にライクラ®商標物(ロゴ)をご使用されるとき、また、商標 を含む文言をご記載される際は、内容確認のため事前の原稿ご提出をお願いしております。 あらかじめご了承ください。 ●ハングタグラインナップ 800million ●シールラインナップ ライクラ®ファイバーご利用ガイド 6 ライクラ®(LYCRA®)およびライクラT400®はThe LYCRA Companyの商標です。 マーケティングサポート ライクラ®ブランドのハングタグやロゴは、全世界で年間8億以上の使用実績があります。 (2020年のライクラ®ハングタグ、ライクラ®パッケージ表示実績より) 消費者の購買決定のトリガーとなるラベル(ハングタグ・シール)のご利用について 当社ライクラ®ファイバーを使用し、The LYCRA Companyが定めた品質基準に適合する生地や衣服 にはライクラ®ブランドラベル(ハングタグ・シール)のご使用が可能です。 ライクラ®ブランドのハングタグやロゴは、全世界で年間8億以上の使用実績があり、消費者の購買決定 に大きな影響を与えます。

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